2010年10月3日日曜日

虚構の劇団「エゴ・サーチ」 

IMGP0435

先日、鴻上尚史の「エゴ・サーチ」という舞台を観てきた。

高校時代、私は演劇部に所属しており、高校には行かずに演劇にかなりハマっていた。
しかし振り返ってよく考えてみると、当時私がハマっていたのは、演劇というよりもそこにいる人間達に対してだったのかもしれない。
何でも話せる仲間達、優しい先輩達、地元の劇団にいた情熱的で不良な大人達。
私はそこで生まれて初めて、自分が人との関わりの中で生かされているという事を確認できた。

今、演劇の世界から抜け出して、もう15年が経とうとしている。
そんな中、突然観る事になったこの「エゴ・サーチ」という演劇。
演出の鴻上尚史さんは、当時田舎の高校生だった私達の憧れの存在だった。
そして会場にはまさにその鴻上尚史さんがいて、なんと観劇中もかなり近くの席に座っていた。
演劇はとても面白かった。
しかし私は、何よりも鴻上尚史さんのその真剣な眼差しの方に感動していた。
なぜならば彼もまた、当時高校生だった私の周りにいた演劇人達と同じ表情をしているように思えたからだ。
あの真剣で情熱的な眼差しは、演劇人ならではのものだ。
久し振りに観劇できて、本当に良かった。
あの表情をもう一度見れて、本当に良かった。
あの表情を見た瞬間、私はあの頃のように、人との関わりの中で自分が生かされている事を確認できた気がした。

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